一般社団法人安城青年会議所

第62代 理事長所信

一般社団法人安城青年会議所
第62代理事長 笠原 昇悟

はじめに

 昭和、平成、令和と時代を重ねるごとに、社会情勢は目まぐるしく変化してきました。固定電話から携帯電話そしてスマートフォンへと通信機器一つ見ただけでも、文明の進歩は凄まじく、留まることなくこの先も社会を多様に変化させていくことと思われます。そうした技術革新が人々の暮らしを豊かに変化させてきたのはもちろんのこと、時代の流れの中で日本は地震や台風などの災害にも見舞われ、辛抱強く立ち向かい続けてきました。先人の方々がそのような苦労と努力で築き上げてきたこのまちを、未来に向けて今よりももっと豊かな住みやすいまちへと襷をつなぐのは、紛れもなく今を生きる私たちです。そうであるならば、私たちは先人の方々に恥じない自己研鑽を積み重ね、このまちへと自らの力を最大限に発揮しなければなりません。未来はもうすでに今始まっているのです。未来に何が起こるか予測することは不可能ですし、今の活動がどの様に未来へ影響するか判断はできません。それでも私たちはこれまでも積極的に歩みを進め、行動して参りました。何もしなければ、現状は変えられません。このまちに山積する問題を一つでも多く取り除くには、一つでも多くの行動を起こさなければなりません。そして一人の行動よりもより多くの人数で起こす行動は、様々な相乗効果を生み出し、組織のみならず地域社会全体に至るまで影響を及ぼすことができます。
安城青年会議所もまた長い年月の中で、先輩諸兄一人ひとりが積み重ねてきた活動があって今日に至ります。2020年に起きた新型コロナウイルスにおける感染症の影響により、私たちの活動も自粛を余儀なくされ、世界を巻き込んだ疫病が、命を守るべき自粛という行動へと非常事態が常態化していく中で、私たちも現状をしっかりと把握し、行動しなければなりません。こんなときにこそ青年会議所の真価が問われます。地域に必要とされる組織として、「明るい豊かな社会の実現」を夢として掲げるだけではなく、明確な目標として道を切り開いていかなければなりません。いつの時代も困難な状況が壁となり、私たちの前に立ちはだかります。私たちはその壁を打ち破る「発想力」と「行動力」を兼ね揃えた組織でなければなりません。現状を真摯に受け止め、変わりゆく時代にも柔軟に対応しながら、希望あふれる故郷の未来像を描き、思いやりあふれる青少年の成長を願い、輝きあふれる次代のリーダーへと心身ともに磨き上げることで、私たちが新たな歴史を築いていかなければなりません。

〜希望あふれるまちづくり〜

 私たちの住み暮らすまちには、電車やバスといった公共交通機関をはじめ、整備された道路や公園なども整っており、子どもから高齢者に至るまで住みよい環境は充実しています。しかし、環境が充実してモノがあふれたからといって私たちの心が本当に豊かになっているとは限りません。モノがあふれ過ぎてこのまちにとって何が大事で何が本当に必要か見えなくなってしまったら、いくら周りを変えても物事の本質は変わりません。だからこそ物事の本質や価値を見極めて行動していくことが私たちの役割であり、そこからこのまちの未来のために何を発想すべきかが見えてくるはずです。今後私たちを含め多くの人が住み続けるこのまちが、願いや希望であふれたまちになる活動をすることで本質的に豊かなまちづくりを目指します。

まちの未来の共創

 日本における女性の社会進出は先進国の中でも非常に低い水準であり、少子高齢化がさらに加速する日本にとって重要な課題の一つに挙げられます。結婚や出産に対する意識、若い世代の所得の伸び悩み、依然として厳しい女性の就労継続、子育て世代の男性の長時間労働などその要因は様々です。私たちは、男女が互いに人権を尊重しつつ、能力を十分に発揮できる男女平等参画社会の実現に向けて行動できる組織でなければなりません。そして、何よりも、私たちの行動だけではなく多くの市民を巻き込んだ運動を起こさなければ意識改革は始まりません。一人でも多く、一歩でもたくさんの歩みで起こした行動は必ず人々を変えることができます。まずは現状の問題としっかり向き合い、私たちだからこそできる発想と行動を起こすことで、共に創り上げる未来の指針を示します。

まちの魅力の発信

 情報技術は日進月歩の発展を遂げ、インターネットの活用はもはや私たちの生活には欠かすことができません。さらに新しい生活様式の中で在宅の機会も増えたため、今まで以上にインターネットを通して情報を得るようになりました。しかし、法律の整備とモラルの欠落により起きた弊害は、依然として様々な問題を抱えております。私たちもインターネットや様々なSNSツールを使って情報を発信する機会が非常に増えました。容易に発信できてしまう反面、情報を発信する側が正しい情報とコンプライアンスを精査して発信しなければいけません。まずは、私たちが発信する情報について有益性と正確性を判断し、他の地域の青年会議所をはじめ、行政や企業、各諸団体と連携することで、青年会議所活動の広報、発信が今よりもっと多くの市民へ届く方法を新しい発想で模索し、確立します。

思いやりあふれる次世代育成

 現代は、核家族化、兄弟姉妹の数の減少、遊び場の喪失などにより人間関係が希薄になっています。その上、情報化社会におけるインターネットや携帯電話の普及により、同世代の子ども同士でも機械的な文字の交信のみによる関わり方が増えてきています。このような状況の中、学校ではいじめや不登校など心の問題が後を絶ちません。相手の立場や気持ちを理解しようとする思いやりの心を育むことは、道徳教育の重要課題です。人を思いやるには、相手がどのような気持ちかを考える力、共感できる力が必要です。そして何より、実際のコミュニケーションでなければ育むことはできません。私たちがコミュニケーションを通して伝えることで、未来を担う子どもたちが思いやりの気持ちの大切さを理解できる次世代育成を目指します。

子どもの笑顔の創造

 日本において親と一緒に暮らせない幼少期を過ごしている子どもの数は増え続けています。その要因である児童虐待の件数は特に増加しています。虐待は育児不安や社会的孤立、経済的困難などが親を追い詰め、その矛先が子どもに向かってしまうことにより起きています。虐待のない明るい社会を築いていくには、親も子どもも笑顔のコミュニケーションが重要です。笑顔には自分も周りの人も明るい気持ちにしてくれる力や人を惹きつける効果があります。どれだけつらく苦しいときでも、笑うことでエネルギーを補充し、失敗を糧にできるからこそ、社会で活躍できる人間力が養われます。まずは私たちが子どもたちに笑顔の大切さを伝えることで、笑顔から生まれるコミュニケーションを通して、子どもたちが夢の実現に向けた一歩を踏み出せる環境づくりをします。

輝きあふれるリーダー開発

 移りゆく時代の変化とともに求められるリーダー像も変化し続けています。多くの組織で新たな時代に即したリーダーシップが探究されています。そして、経営者や責任者はかつてのように自らが前面に出て手腕を振るうだけではなく、組織の一人ひとりがその潜在能力を存分に発揮できる環境を作ることが求められています。また、リーダーにとって、ミッションを完遂してくれるフォロワーの存在は大きく、私たちはリーダーシップとフォロワーシップを融合させ、最善の策を迅速に正しく選択しなければなりません。さらに、変化が激しい現代においては、リーダーシップについて一度学べば良いわけではなく、経験や体験を通じて学び続けていくことが重要になっています。まずは、私たちが様々な経験や体験によって切磋琢磨し、磨き合いながら真に輝くリーダー開発を目指します。

JAYCEE PRIDEの向上

 新型コロナウイルスにおける感染症の影響により、社会の動きは大きく変わりました。テレワークやオンラインによる会議、飛沫感染防止の様々な対策などが新しく取り入れられていく反面、今まで普通にできていたことが制限され、不要不急なことは排除される事態にまで至りました。このような新しい生活様式の中で本当に必要とされる自己研鑽とは、単に自分自身の能力や価値を高めることに着目するだけではなく、さらに新しい発想で踏み込んで考えていかなければなりません。そして、私たちが地域に必要とされる組織であり続けるには、コロナ禍においても青年会議所としての誇りを見失ってはいけません。安城青年会議所でしかできないこと、学べないことに取り組むことで、会員一人ひとりの40歳までの限られた貴重な時間を、より洗練された価値ある時間にします。

戦略的な拡大

 私たちの活動において仲間の存在は大切であり、欠かすことができません。一人でも多くの想いが集まれば、青年会議所の活動を効果的に行うことができます。しかし、全国的に見ても青年会議所の会員数は減少傾向にあり、さらに追い打ちをかけるように新型コロナウイルスにおける感染症の影響を受けて退会者も増えています。今までのような拡大活動だけでは安城青年会議所にとっても貴重な人財が確保できなくなる可能性があります。社会や生活様式が新しく見直された今だからこそ、新しい発想で柔軟な戦略を取り入れた拡大活動を実践します。そして、何よりも拡大活動に重要なことは行動力です。まずは会員一人ひとりが会員拡大に対する意識を常に持ち、率先して行動することで、私たちと想いを共有できる心強い仲間づくりに尽力します。

発想力と行動力のある組織の運営

 事務局運営は、青年会議所にとってまさに根幹であり、資料の作成や記録管理などといった私たちの活動には欠かせない役割を担っています。そして、会員が動きやすいようサポートする役割が多いことから、守りのイメージを持たれがちな事務局ですが、青年会議所においては能動的かつ積極的に運営していくべきです。青年会議所を内部から動かすには、事務局が司令塔として機能していくべきだからです。変わりゆく時代の中で、青年会議所も慣習や馴れ合いで運営していくのではなく、組織をリードし、かつ新しい風を送り込んでいける事務局運営をしていきます。まずは、今までの活動の検証を踏まえた上で、最善のスタンダードを常に模索し構築することで、安城青年会議所の中枢として組織の活性化を図る主体的な事務局運営を徹底します。

結びに

 私たちが向き合う問題は私たち自身の発想力と行動力で切り抜けていかなければなりません。本年度、62年目の歩みを進めるにあたり理事長という大役を授かりましたことを使命と受け止め、過去から現在に至るまで安城青年会議所のためにご尽力いただいた先輩諸兄、携わっていただいたすべての皆様への感謝と覚悟を持って、志高く全力を尽くして、仲間とともに成長し、未来に向けた襷をつなげることをお誓い申し上げ、理事長所信とさせていただきます。